cooleyes kidd
2009年10月04日
07:57
階段を上ると、殺風景な個室があった。
彼女は怪しげなものがいっぱいあるものだと想像していただけに、どこかほっとし、そしてがっかりました。
「君か、かけだしの風水師というのは。」
急にそうこえをかけられたが、誰もいない。
彼女は何度も振り向き、周囲を見渡したがその誰かはいない。
「こちらじゃ」
彼女は注意深くその声のするほうへ振り返った。
古びた端末のような・・・いや、テレビ・・・?のようなものに、丸メガネをかけた白髪の老人が映っている。
ジジジジジ・・・と、妙に音がし、時折、ピュンっと、回線が切れるような音さえきこえる。
「回線が不安定だから、くどくどと説明はせんぞ。 これを・・・封魔刀だ。 では健闘を祈る」
低くしゃがれた声でその老人は彼女にそういう。
見た目はかくしゃくとしたじぃさんという風体なのだが、妙に威圧感がある。
特にその声は有無を言わせぬ風だ。
こちらのことが見えていないのか、それとも、彼女が風水師にでも見えたのか・・・その老人が彼女に刀を渡した途端、回線は
切れた。
刃が無数にあり、花弁のように広がっている。
キラキラと鋭い刃はすぱっとなんでもきれそうだが、おおよそ、武器という合理的な形状ではない。
なんというべきなのか、彼女はおもいつかない。
彼女の国ではなかった形状の代物だ。
・・・・・・・・これで鬼律は消えるのか?
しかし、彼女はそれを握らずにはいられなかった。
自分も電話男のようにはなりたくなかったからだ。
薄暗い殺風景な部屋で、彼女は封魔刀をにぎりしめた。
注意)風水バトルを行う場合はテーブルのマニュアルを手にいれてください。