消えゆく意識

cooleyes kidd

2009年08月02日 21:53


いつもの部屋へぐったりとしながら、彼女は戻ってきた。
珍しく、人に多くあったせいだろう・・・。
この島でここまで人と出会うことは珍しい。
彼女はふらふらとベッドへ倒れこもうとすると、

じりりりり!

と、電話男の電話が鳴った。
「・・・・?」

彼女に電話をするものなどまずいない。
訝しげに思いつつ、受話器をあげると、

『お帰り』

と、電話男の声がした。
「どうしたの?」
『おどろかしちゃったかい?いやね・・・受話器ごしでないと・・・話ができなくなっちまったんだ』
電話男の声に、彼女は背筋にすうっと、冷たいものが走った。
10 老人街