2009年08月02日
消えゆく意識
いつもの部屋へぐったりとしながら、彼女は戻ってきた。
珍しく、人に多くあったせいだろう・・・。
この島でここまで人と出会うことは珍しい。
彼女はふらふらとベッドへ倒れこもうとすると、
じりりりり!
と、電話男の電話が鳴った。
「・・・・?」
彼女に電話をするものなどまずいない。
訝しげに思いつつ、受話器をあげると、
『お帰り』
と、電話男の声がした。
「どうしたの?」
『おどろかしちゃったかい?いやね・・・受話器ごしでないと・・・話ができなくなっちまったんだ』
電話男の声に、彼女は背筋にすうっと、冷たいものが走った。
珍しく、人に多くあったせいだろう・・・。
この島でここまで人と出会うことは珍しい。
彼女はふらふらとベッドへ倒れこもうとすると、
じりりりり!
と、電話男の電話が鳴った。
「・・・・?」
彼女に電話をするものなどまずいない。
訝しげに思いつつ、受話器をあげると、
『お帰り』
と、電話男の声がした。
「どうしたの?」
『おどろかしちゃったかい?いやね・・・受話器ごしでないと・・・話ができなくなっちまったんだ』
電話男の声に、彼女は背筋にすうっと、冷たいものが走った。

2009年08月03日
妄人の心
もう・・・電話男は電話になってしまうのかもしれない。
『そんな顔するなよ、まわしておくれよ。ダイヤルを・・・』
電話男の声からはほとんど感情を読み取ることもできない。
もう、機械音・・・声というよりも、音声なのだ。
「わかったわ。うん・・・」
彼女は涙目になるのをこらえながら、
じ~こ、じ~こ・・・
受話器をおいて、昔の自宅の電話番号をまわす。
もしかしたら・・・ずっと、住んでいる人達なら妄人のままでいれる方法を知っているかもしれない。
この島には老人街という場所がある。
老人らは非常に元気で、よくたむろったり、徘徊しているともきいている。
老人達ならいろいろ知っているのではないだろうか・・・
彼女はそう思い、目をこすると、島の中心部に位置する。
老人街へと走り出した。
2009年08月07日
老人中心
kowloonのほぼ中央に位置する老人中心。
メインストリートと同じぐらいのにぎやかさを持ち、ダンスホールが主な場所だ。
太極拳を楽しむこともできる。
彼女はたどりついたものの、深夜すぎてあまりに人がいないので、ため息をついた。
古今東西、老人とは早寝早起きが信条らしい。
だれか・・・いないだろうか・・・
彼女はふらふらと老人街を歩き始めた。

メインストリートと同じぐらいのにぎやかさを持ち、ダンスホールが主な場所だ。
太極拳を楽しむこともできる。
彼女はたどりついたものの、深夜すぎてあまりに人がいないので、ため息をついた。
古今東西、老人とは早寝早起きが信条らしい。
だれか・・・いないだろうか・・・
彼女はふらふらと老人街を歩き始めた。

2009年08月19日
やさしい老人
「おや、血相変えてどうしたね?」
小柄な老婆が彼女に声をかけた。
「あんたのこたぁ、知ってるよ。海辺の露店に店を出してる子だろう。私も出してんだ」
思わぬところで、自分が知られていると知り、彼女は少しびっくりした。
「驚くでないよ。飯店のマスターからも聞いているし、店の常連客も知っているよ。ここはそういうところなんだ」
老婆は姿に似合わず、かくしゃくとした足取りで彼女に近づいてきた。
「あの・・・妄人が物になってしまわない方法はないのでしょうか!」
彼女は話もそこそこにそう切り出す。
「・・・・程度にもよるだろうが」
老婆は渋い顔をして、彼女の話を聞き始めた。
「・・・・・・・・・・・・・・無理だね・・」
老婆はそう言って、ため息をついた。
「そこまで進んでたら、まず無理だね。妄想が切れかかっている。いや、その電話男自体、くたびれちまって
るのかもしれないねぇ」
しわしわの手を何度も動かしながら、老婆はさびしそうな眼で呟いた。
「・・・・・・・・」
「ここはそういうところなんだ、あきらめるしかないね」
老婆の言葉はひどく冷たいが、表情からは言い知れぬ憂いを彼女は読み取った。

http://slurl.com/secondlife/kowloon/128/134/30
老婆のお店↓
http://slurl.com/secondlife/kowloon/225/135/30
小柄な老婆が彼女に声をかけた。
「あんたのこたぁ、知ってるよ。海辺の露店に店を出してる子だろう。私も出してんだ」
思わぬところで、自分が知られていると知り、彼女は少しびっくりした。
「驚くでないよ。飯店のマスターからも聞いているし、店の常連客も知っているよ。ここはそういうところなんだ」
老婆は姿に似合わず、かくしゃくとした足取りで彼女に近づいてきた。
「あの・・・妄人が物になってしまわない方法はないのでしょうか!」
彼女は話もそこそこにそう切り出す。
「・・・・程度にもよるだろうが」
老婆は渋い顔をして、彼女の話を聞き始めた。
「・・・・・・・・・・・・・・無理だね・・」
老婆はそう言って、ため息をついた。
「そこまで進んでたら、まず無理だね。妄想が切れかかっている。いや、その電話男自体、くたびれちまって
るのかもしれないねぇ」
しわしわの手を何度も動かしながら、老婆はさびしそうな眼で呟いた。
「・・・・・・・・」
「ここはそういうところなんだ、あきらめるしかないね」
老婆の言葉はひどく冷たいが、表情からは言い知れぬ憂いを彼女は読み取った。

http://slurl.com/secondlife/kowloon/128/134/30
老婆のお店↓
http://slurl.com/secondlife/kowloon/225/135/30
2009年08月30日
ダイヤルを回す
『やっぱりそうか・・・まぁ、そんなもんだろうと思ってたんだけどね・・・』
電話男の声はひどく機械的で、まるで、彼女は電話の時報でも聞いているような気がした。
「進行は止められるそうよ。少しでも妄想を・・・蓄えて・・・そう!人とお話していると止められることもあるって」
彼女はそう受話器を持って言った。
ほおをつうっと、涙がついたい、ぽたぽたと受話器にかかるので、電話男はそれが気休めでしかないことを悟った。
『いいさ、気にするなよ。人間は「サヨナラダケガ、人生サ」なんだろ。俺は少なくとも永遠に死なない』
「・・・・・・」
『そうそう、君に話せなくなる前に言っておかないとね。』
気ヲツケナヨ。
時々、君ノ背中ニ、モヤモヤシタモノガ見エルンダ。
誰カガ、君ヲネラッテル・・・。
ツーツーツーツー・・・・・・・・・・・・・・・

電話男の声はひどく機械的で、まるで、彼女は電話の時報でも聞いているような気がした。
「進行は止められるそうよ。少しでも妄想を・・・蓄えて・・・そう!人とお話していると止められることもあるって」
彼女はそう受話器を持って言った。
ほおをつうっと、涙がついたい、ぽたぽたと受話器にかかるので、電話男はそれが気休めでしかないことを悟った。
『いいさ、気にするなよ。人間は「サヨナラダケガ、人生サ」なんだろ。俺は少なくとも永遠に死なない』
「・・・・・・」
『そうそう、君に話せなくなる前に言っておかないとね。』
気ヲツケナヨ。
時々、君ノ背中ニ、モヤモヤシタモノガ見エルンダ。
誰カガ、君ヲネラッテル・・・。
ツーツーツーツー・・・・・・・・・・・・・・・
