2009年08月19日
やさしい老人
「おや、血相変えてどうしたね?」
小柄な老婆が彼女に声をかけた。
「あんたのこたぁ、知ってるよ。海辺の露店に店を出してる子だろう。私も出してんだ」
思わぬところで、自分が知られていると知り、彼女は少しびっくりした。
「驚くでないよ。飯店のマスターからも聞いているし、店の常連客も知っているよ。ここはそういうところなんだ」
老婆は姿に似合わず、かくしゃくとした足取りで彼女に近づいてきた。
「あの・・・妄人が物になってしまわない方法はないのでしょうか!」
彼女は話もそこそこにそう切り出す。
「・・・・程度にもよるだろうが」
老婆は渋い顔をして、彼女の話を聞き始めた。
「・・・・・・・・・・・・・・無理だね・・」
老婆はそう言って、ため息をついた。
「そこまで進んでたら、まず無理だね。妄想が切れかかっている。いや、その電話男自体、くたびれちまって
るのかもしれないねぇ」
しわしわの手を何度も動かしながら、老婆はさびしそうな眼で呟いた。
「・・・・・・・・」
「ここはそういうところなんだ、あきらめるしかないね」
老婆の言葉はひどく冷たいが、表情からは言い知れぬ憂いを彼女は読み取った。
http://slurl.com/secondlife/kowloon/128/134/30
老婆のお店↓
http://slurl.com/secondlife/kowloon/225/135/30
小柄な老婆が彼女に声をかけた。
「あんたのこたぁ、知ってるよ。海辺の露店に店を出してる子だろう。私も出してんだ」
思わぬところで、自分が知られていると知り、彼女は少しびっくりした。
「驚くでないよ。飯店のマスターからも聞いているし、店の常連客も知っているよ。ここはそういうところなんだ」
老婆は姿に似合わず、かくしゃくとした足取りで彼女に近づいてきた。
「あの・・・妄人が物になってしまわない方法はないのでしょうか!」
彼女は話もそこそこにそう切り出す。
「・・・・程度にもよるだろうが」
老婆は渋い顔をして、彼女の話を聞き始めた。
「・・・・・・・・・・・・・・無理だね・・」
老婆はそう言って、ため息をついた。
「そこまで進んでたら、まず無理だね。妄想が切れかかっている。いや、その電話男自体、くたびれちまって
るのかもしれないねぇ」
しわしわの手を何度も動かしながら、老婆はさびしそうな眼で呟いた。
「・・・・・・・・」
「ここはそういうところなんだ、あきらめるしかないね」
老婆の言葉はひどく冷たいが、表情からは言い知れぬ憂いを彼女は読み取った。
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Posted by cooleyes kidd at 20:34│Comments(0)
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