2009年06月20日
トルソ
綺麗・・・。
店の入り口に売られているトルソ。
さびが入ったものと、普通のものが売られている。
家具屋の売り物にしては、珍しいものだ。
何の服でもきこなせそうな、女性らしいフォルム・・・しかし、グラマラスな女性ではなく、スレンダーな風でもない
中肉中背、黄金律というべきか・・・まるで、モデルか、ダンサーか・・・そんな感じのトルソだ。
彼女がそっと、さび入りのものに触れると、かすかにほの温かく感じた。
いいわ、これ・・・ほしい・・・
彼女は店を構えたら、これを絶対に買おうと決めた。
でも、人に買われてしまったら、どうしよう?
今、買っておくべきなのかしら、でも、置く場所がないわ。
さすがにあの部屋においておくわけにもいかないし・・・・
トルソを前に、彼女は顔をゆがめる。
どうも、悩み出すと、そういう顔をするタチらしい。
「安心しろよ、そいつならいつもあるぜ」
電話男は彼女に気づいてそう呟く。
「でも・・・」
「大丈夫だって!ずっと住んでるおれがいうんだから!ほら、ほかにいこうぜ」
電話男は彼女の手をひっぱって、トルソからひきはなす。
彼女は背後で女性の密やかにほほ笑む声をきいたきがした。
Posted by cooleyes kidd at 07:00│Comments(0)
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